
独自の発酵技術で未利用資源を活用し、循環型社会を構築するスタートアップの株式会社ファーメンステーションは、高知県産ゆず搾汁かす(さのう)から高濃度アルコール(エタノール)を精製することに成功した。
JA高知県とともに化粧品原料化に取り組む
同社は、岩手県奥州市のラボを拠点にし、休耕田を活用した原料米の生産、多様な未利用資源からの原料開発を行い、サステナブルな製品開発・事業展開を目指す企業に向けた原料提供や、OEM/OEM事業を展開している。
これまでも、有機JAS米を原料とした国内唯一のエコサートおよびUSDAオーガニック認証エタノールや米もろみ粕の製造、岩手県産ヒエのヌカの化粧品原料化などに取り組んできた。
これは、高知県が、令和2年度に株式会社リバネスに運営委託して実施している、スタートアップ企業と県内企業のコラボレーションによる新事業開発促進事業「こうちネクストコラボプロジェクト」の一環として、JA高知県とともに取り組んだプロジェクトである。
高知県は日本一のゆず生産地国およそ1.0万tを県内で生産
日本一のゆず産地である高知県は、国内生産量約2.0万tのうち、およそ1.0万tを県内で生産しており50%以上のシェアを保有している。
そのうち、未利用果実や搾汁残渣等として約3,500tが廃棄されており、この廃棄原料の活用が課題となっている。
この取組みでは、JA高知県より現在廃棄されているゆず搾汁かす(さのう)を提供してもらい、ファーメンステーションにて独自の発酵技術を用いてエタノール製造試験に取り組み、高濃度エタノールを精製した。
また、この原料を活用したアロマスプレーを試作している。
<試作製品>
製品事例として、ゆずエタノールを原料に以下の試作品を製造した。
▼ ゆずアロマティックスプレー
ゆずエタノール、ゆず精油、精製水を用いたアロマスプレー。ゆずと水のみでできている。
・天然由来原料100%
・高知県産ゆず精油を配合
(慶尾六郎)