
土佐打刃物の後継者を育てる「鍛冶屋創生塾」(西山武塾長)の建設工事が、高知県香美市土佐山田町上改田の「土佐刃物流通センター」敷地内で始まった。
深刻化する後継者不足解消へ
「鍛冶屋創生塾」は土佐刃物連合協同組合が、深刻化する担い手不足を解消しようと2016年から構想してきたもの。国や県、香美市の支援のもとに計画を進めてきた。
1998年には県内には約160の鍛造業者がいたが、現在は70軒ほどだという。
しかしながら、追い風もある。世界的な和食ブームを背景に、和包丁の需要が海外で高まっているからだ。
「鍛冶屋創生塾」はセンター南にあった資材置き場などを解体し、実習棟を新設した。鍛造に使うベルトハンマーや加熱炉などを整備する。
塾の研修期間は2年。年間3人を受け入れ、定員は6人。組合の職人や元大学教授らが鍛造技術や材料学、経理を教える。卒業後は市内の業者の下で修業し、3年後の独立を目指す。(慶尾六郎)