
第一三共株式会社は、慶應義塾大学、高知大学、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、小野薬品工業株式会社、田辺三菱製薬株式会社とともに、免疫炎症性難病を対象とした創薬研究を行うことを目的に、「免疫炎症性難病創薬コンソーシアム」を発足した。
効率的な創薬を行う体制を新たに構築
近年、免疫炎症性難病の改善・完治をめざして、臨床検体を最新技術で解析したデータを創薬研究に活用する「リバーストランスレーショナルリサーチ」が世界的に行われつつある。
しかし、各種免疫炎症性難病の臨床検体数は有限であり、新薬の研究費用のさらなる増加も課題となっているため、複数の産学が連携し効率的な創薬を行う体制を新たに構築。
コンソーシアムでは、慶應義塾大学病院リウマチ・膠原病内科、消化器内科と高知大学医学部附属病院免疫難病センターが、複数の免疫炎症性難病患者を対象とした治療前後の臨床検体および疾患情報の収集を行う。
蓄積された各種データをもとに構築される質の高いデータベースは、参画アカデミア・製薬企業間で共有される。
製薬企業各社は、このデータベースを活用し、免疫炎症性難病治療薬の創製をめざして独自の創薬研究に取り組む一方、各アカデミアは、研究成果をさらなる基礎・応用研究に役立てるという、これまでにないユニークな産学連携コンセプトのもとにコンソーシアムは運営されるという。 (慶尾六郎)